ep11 自転車のタイヤ

自転車の誕生は1813年のドイツという説が有力らしい。日本は女好きで知られる第11代将軍、徳川家斉(いえなり)の時代のこと。
当時の自転車は足で地面を蹴って進む方式で、乗り心地はかなり悪かったみたい。日本に自転車が入ってきたのは1870年前後、江戸末期。前輪がバカでかいタイプが主流だったらしい。

その後、1885年、ペダルを漕いでチェーンでつながった後輪を回すシステムを搭載。1888年に空気を入れるタイヤが生まれ、ほぼ現在の自転車が完成したとのこと。
実は自転車の普及は空気を入れるタイヤのおかげらしい。空気を入れるシステムのタイヤで安全性・スピード・乗り心地が一気に改善されたことが大きかったんだって。で、この空気を入れる方式のタイヤを発明したのはダンロップさん。あのタイヤのダンロップの生みの親だ。今では自動車のタイヤのブランドとして有名だが、元々は自転車のタイヤがスタートだったんだね。


まぁ実はここからが本題。

自転車の誕生から200年、タイヤの誕生から135年、意外と自転車って最近なのねと感じつつ、未だにみんなパンクで困っているというのはいかがなものか? パンクしないタイヤなんてiPhoneの開発より簡単なんじゃない? 超小型ドローンなんかより簡単にできそうじゃん!? でも未だにタイヤって、ゴムカバーの中にゴムチューブを入れて空気で膨らますっていうスタイルのまま。なんで進化しないんだろう? で、自転車屋さんに聞いたらパンクしないタイヤはもうあるし、使われているんだけど、普及はいまひとつなんだって。なんでだろう~?

パンクしないタイヤ、その1はタイヤ全体がウレタンでできているヤツ。確かにパンクしないよね。でも、衝撃の吸収力がいまいちで、段差でガッコンとかなると車輪全体に衝撃が伝わって、リムが歪んだりしやすいんだって。パンクはしないけど、がっつり削れて丸ごと交換が必要になることもあるとか。なにより漕ぎが重くて走り心地が悪いらしい。

で、その2は外側のゴム部分が厚くなっているもの。現在のタイヤの延長って感じで、パンクリスクは0とはいかないが、かなり安心らしいうえに今の自転車の走り心地とあまり変わらないとのこと。

内部のチューブを分厚くしてるものなどもあるのだけど、結局、車輪ごと交換しないといけないとか、近くの自転車屋さんでは扱ってないとか、結構めんどいのである。そして、いずれにしても重くなって、乗り心地が悪くなってしまう。うーむ…。

そして、パンクしないタイヤが普及しない理由の最たるもの、それは「現在のタイヤの完成度が高いから」なのだそうだ。パンク修理代が稼げなくなるからではないんだってよ。
そもそもパンクの原因の多くは、釘とか針ではなく、段差を強引に通ったときの衝撃でチューブが破損するケースによるもの。乗る前に空気を補充しておけばほとんど防げるのだそうだ。

外側ゴムの耐久性、そして空気を入れた内側チューブの衝撃吸収力と復元力。この組み合わせによる軽さの実現、快適な乗り心地、速度…、実は自転車のタイヤは究極の形だったのだ。ダンロップさん、ありがとう!
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